空に舞う桜



私がへこんでいると、頭の上から声が降ってきた。




「長州の間者だったりしちゃ、たまったもんじゃねえからな。

 簡単に信用しるわけにはいかねえ」




「そう、ですよね……」




でも、信じてもらえないと、私はこの世界で生きていけないかもしれない。




だったら、何がなんでも信じてもらわないと……




でも、どうすれば……




考え込んでしまい、私は黙り込んでしまった。




それが、良くなかったらしい。




「おい」




綺麗な顔をした人が、突然刀を抜いた。




「えっ……?!」




私は、大きく目を見開く。




「何も言わねえって事は、お前は間者なのか?」




「へっ?!」




そう言うと、その人は私の首元に刀を突きつけた。




「女だろうと、俺は容赦しねえぞ」




「副長!」




「トシ!やめんか!!」




慌てて山崎さんと近藤さんが止めに入る。




だけど、彼はずっと私を睨みつけ、刀を向けてくる。