「ああ、そうだ、まだ自己紹介をしていなかったな。
俺は……」
「近藤さん、悪いが、それは後にしてくれるか」
大柄な男の人……近藤さんと呼ばれた人の言葉を、あの綺麗な顔をした男の人が遮った。
そして、一歩私の方に近付くと、私を間近で見下ろした。
見下ろされた目2つの目は、とても冷たく、背筋がヒヤッとした。
「あ、あの……?」
「俺は、お前の話を信じちゃいない」
「え……」
「未来から来た、なんてそん話、受け入れられるわけねえだろ」
彼の言葉に、私はグッと息を詰まらせた。
そりゃ、そうだよね。
そうだよ、よく考えたら、こんな変な話をすんなり受け入れてくれた山崎さんの方が変なんだ。
失礼な話だけどね……
だって、私だって、この状況を受け入れるのに時間がかかったもん。


