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しばらくすると、山崎さんは2人の男の人を連れて戻ってきた。
1人は、大柄で優しそうな男の人。
もう1人は、女の人みたいに綺麗な顔の人。
「局長、副長、彼女が昨夜保護した娘です」
「ど、どうも……」
慌てて立ち上がり、2人に向かって頭を下げた。
すると、大柄な男の人はニコリと笑った。
「おお、かわいらしい娘じゃないか。
江戸に残してきた娘を思い出すなあ」
その人は、うんうんと頷いた。
この人は、なんだか優しそう……
だけど……
もう1人の男の人は、眉間に皺を寄せた怖い顔をしていた。
「君の話は、山崎くんから聞いたよ。
にわかに信じがたい話だが、山崎くんが信じるというのなら、俺も信じることにしよう」
大柄な人は、そう言って優しい顔で私を見た。
山崎さんて、そんなに信用されてるんだ……
すごいなあ……


