空に舞う桜



「ならば、ここにいるか?」




「えっ?!」




山崎さんの提案に、私は目をパチクリさせた。




「ここなら、お前に事情が分かる奴がいるし、安心して帰る方法を探せるだろう」




「事情が分かる人って……そんな人いるんですか?」




すると、山崎さんは真顔でこう言った。




「俺は信じるぞ、お前の話」




「え……」




嘘……




こんな信じられない話を、この人は信じてくれるの?




「な、なんで……」




「仕事柄、人が嘘をついているかどうか、なんとなく分かるんだ。

 お前は、嘘をついていない。

 俺はそう思ったが、違うのか?」




「ち、違いません!

 本当のことです!!」