「ならば、ここにいるか?」
「えっ?!」
山崎さんの提案に、私は目をパチクリさせた。
「ここなら、お前に事情が分かる奴がいるし、安心して帰る方法を探せるだろう」
「事情が分かる人って……そんな人いるんですか?」
すると、山崎さんは真顔でこう言った。
「俺は信じるぞ、お前の話」
「え……」
嘘……
こんな信じられない話を、この人は信じてくれるの?
「な、なんで……」
「仕事柄、人が嘘をついているかどうか、なんとなく分かるんだ。
お前は、嘘をついていない。
俺はそう思ったが、違うのか?」
「ち、違いません!
本当のことです!!」


