「君は……未来から来たのか?」




何も遮らない、澄んだ声でそう言われ、また私の目に涙が浮かんだ。




「……はい……」




私は、涙を流しながら、小さく頷いた。




「……ここは寒いだろう。

 屯所に来るといい。

 そこで、また詳しい話を聞かせてくれ」




山崎さんは、私の手を取り、ゆっくりと立ち上がらせてくれた。




「そうだ、まだ名前を聞いてなかったな。

 おれは、山崎丞。

 君の名前も教えてくれるか」




「……佐渡、千里です」