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「はぁ……はぁ……」




暑い。




刀を振るって、一区切りついた俺は、1人息を整えていた。




部屋の中には、無惨にも転がる死体。




ついさっきまで生きていた、尊皇攘夷派の武士達だ。




血を浴びた体は、火照って暑い。




今夜の蒸し暑い気温によるものなのか、それとも……戦いによる高揚なのか。




「次の部屋に行かねば……」




呟いて、足の踏み場もない部屋を後にした。




全て自分が斬った相手なのに、もう何も思わない。




……人の死を重く感じなくなったのは、いつからだろうか。




新選組にいる以上、避けては通れないものだと思っているが……




仕事なら、人斬りが当たり前になっていいのか?




俺は、何か大切なことを忘れているのではないか……?