「うわあああ!!」
1人の男の人が、池田屋から出てくる。
その人は、狂ったように刀をブンブン振り回していた。
「っ……」
その様子に、完全にひいてしまった私は、少し後ずさりした。
すると、急にぐるんっとこっちを向いたその人は、ゆっくりとこちらに向かってくる。
横にいた土方さんは、スラリと刀を抜いた。
「佐渡、お前どっかに隠れてろ」
「……」
「佐渡?」
返事がない事に、不思議に思ったのか、私の名前を呼びなおす土方さん。
でもね、無理だ、出来ないよ土方さん。
だって、私、あの人と目が合っちゃったもん……
「っ……!」
動けない、声も出ない。
震えが、止まらないよっ……
「死にたくねえ……死にたくねえよお!!」
そう叫ぶと、男の人は、わき目も振らず走り出した。
真っ直ぐに、こっちに向かって。


