ベイビー クライ


けれども、安息もつかの間。

キョロキョロと周りを見渡す芽衣ちゃん同様、あたしも斜め後ろに首を向けると、不意に、千紗と目が合った。
席を立った直後らしい。
きっと、これから高田くんのクラスに行って、一緒にお昼を食べるのだと思う。

気まずい間があってから、どちらともなく目を逸らした。


「つばさ、今日の放課後カラオケ行かない?」
「……ん!?カラオケ?」


脈絡もなく切り出したかと思うと、目の前の芽衣ちゃんはまた、さっきのようなニヤニヤ顔を浮かべた。


「あ。そか、放課後柏村に呼ばれてるんだっけ」
「……ごめんね」


柏村先生の名前を出されると、どうしても調子が狂う。
動揺してるのが極力ばれないように笑顔を返すと、落とさないように注意深く、箸でミートボールをつまんだ。


「他校の生徒も来るとかでね、絶対楽しいからつばさも行こうよ。もうすぐ春休みだし、テストのことは忘れてさ!」
「でもなぁ…」


今日はいつになく、押しが強いな。
いつもなら、あたしが断っても、こんなにしつこく誘ってきたりしないのに。