準備室内にふたりしか居ないことを確認すると、先生は、そわそわする挙動不審なあたしを、それ相応な目付きで見た。
「駿河?お前、顔色悪くね?」
「もし、あたしと、その……、」
言葉の代わりに目を見開いて応える先生の前で、あたしは深く息を吐く。
それでも焦燥が、消えてなくなるわけじゃない。
「学校の外で、会ったことが他の人にバレたら、」胸の中がもやもやする。このやり場のない不安、先生は、解消してくれますか「どう、なるんですか…」
明らかに一瞬、ぴんと張り詰めた空気が、あたしたちの間を漂った。
それを打ち消すかのように、先生は爪先で、段ボールの側面を軽く蹴る。
「んなの、お前が意識させなきゃ問題ねぇよ」
…意識?
からかわれてる、あたしはちょっとムッとして、椅子に座ろうとする先生の背中に向かう。
「意識なんて…っ」
「よしよし。だったら、俺を乱すなよ?」
「――なっ!?何言ってんですか」
顔は真面目なのに、言ってることが不真面目すぎる。あたしは不安でたまらないのに、先生は適当すぎる。

