君とのキスの意味

しばらくして、理子さんと一緒に出かけていた時、偶然、加賀さんと会う。

「加賀君、中学の時から近寄り難い雰囲気をもっていたけど。理子とは、一緒にクラス委員をしてたから、わりと仲良くって。3人でお茶をしたの」

話題が豊富な加賀さんと話す事は、思っていたよりずっと楽しかったそうだ。

ある日、3人で行く予定だった絵画展があった。理子さんが知り合いにチケットをもらい、白石さんと加賀さんを誘った。

ところが当日、理子さんが体調を崩してしまう。開催期間の終わりが迫っていた為、2人で出かけた。

「その事をきっかけに、加賀君と2人で会う事が増えて・・・昼間の食事だったのが、夜、お酒を飲むようになったり。・・・一晩中、一緒にいるようになったり」

ハァーッと息を吐き、カップに口をつける。カップを少しの間見つめた後、話し始める。

「『付き合おう』とか、そういう事は言われてないけど、私達、付き合ってるのかな・・・て思っていました」

なんか、ズルいよな・・・きちんとした言葉を伝えないまま、関係だけ深めていって。

美帆と付き合い始めた頃の自分を思い出し、胸が痛くなる。