県外の大学を卒業して、地元に戻り、この会社に就職した。地元の優良企業であるここに就職できたのは、俺としてはかなりがんばったと思う。
さっきから、みんなの話題の元となっている『園田課長』。俺が担当する得意先の課長で、この田舎ではまだ珍しい、絵に描いたような“ キャリアウーマン ”だ。
いつも、身体のラインを強調したようなスーツを着こなし、甘い香りをさせている。といっても、『女』である事だけを武器にしている訳ではなく、ちゃんと仕事もできる人だ。ただし月に一度を除いては・・・
ここは、2年先輩の藤田( ふじた )さんが担当していた。4月に、藤田さんが営業所に移動になった為、俺が引き継いだ。
引き継ぎの時、藤田さんが一番最初に言ったのが
「園田課長の前では、隙を見せるな。じゃないと、喰われるぞ」
やけに真剣な顔で言うから「肉食恐竜じゃあるまいし」なんて思っていた。
初めて一人で園田課長と対面した時、ちょっと忘れ物をしたからと席を立った。
椅子に腰掛けた俺の横に立つと、不意に屈んで、俺の頬に触れるだけのキスをした。
「藤田君の後だから、期待していなかったんだけど。塚本君なら、合格」
そう耳元で囁いた後、何事もなかったように離れていった。
さっきから、みんなの話題の元となっている『園田課長』。俺が担当する得意先の課長で、この田舎ではまだ珍しい、絵に描いたような“ キャリアウーマン ”だ。
いつも、身体のラインを強調したようなスーツを着こなし、甘い香りをさせている。といっても、『女』である事だけを武器にしている訳ではなく、ちゃんと仕事もできる人だ。ただし月に一度を除いては・・・
ここは、2年先輩の藤田( ふじた )さんが担当していた。4月に、藤田さんが営業所に移動になった為、俺が引き継いだ。
引き継ぎの時、藤田さんが一番最初に言ったのが
「園田課長の前では、隙を見せるな。じゃないと、喰われるぞ」
やけに真剣な顔で言うから「肉食恐竜じゃあるまいし」なんて思っていた。
初めて一人で園田課長と対面した時、ちょっと忘れ物をしたからと席を立った。
椅子に腰掛けた俺の横に立つと、不意に屈んで、俺の頬に触れるだけのキスをした。
「藤田君の後だから、期待していなかったんだけど。塚本君なら、合格」
そう耳元で囁いた後、何事もなかったように離れていった。



