君とのキスの意味

「しっかりフォローしてやろう。俺達の可愛い沙映ちゃんだからな」

「はい!」

高野主任の言葉に、俺は、ようやく笑顔で頷く事ができた。

来週の金曜日、村瀬君が営業一課で仕事をする最後の日だ。夜には、水野君も呼んで、営業一課の勧送迎会もある。

俺が、きちんとけじめをつける日も、もうすぐだ。


─9月の終わり 金曜日 午後7時 大将がいるいつもの居酒屋で、勧送迎会は始まった。

営業部長、課長、一課の営業担当5人に、アシスタント2人、水野君 の総勢10名での勧送迎会だ。

会が始まる前、高野主任に「村瀬君を自宅まで送ります」と伝えた。

高野主任は、薄く笑って頷いた。

昼間の、村瀬君の引き継ぎの様子を丸岡さんに聞いて心配していた。

が、さすがに部長・課長の前では抑えていたようだ。表情は固いが、きちんと受け答えをしていた。

水野君は・・・笑ってはいるが、いつもの笑顔じゃない。

今日は、生ビールを飲んでいるけど、いつもの明るさがない。

俺よりも、酒が強いと言った水野君。その飲みっぷりを、そばで見たかったけど。