君とのキスの意味

新たに借りたアパートも、亮の住むアパートから、歩いて5分もかからない。もっと、離れた場所にすればよかった。

夜、俺の作った炒飯を食べながら亮が言った。

「お前が、清香ちゃんと付き合ってるんだもんな。人生って、おもしろいよな」

「うん?・・・斉藤とは、たぶん付き合ってない」

「へっ!?だって2人だけで会ってるだろ?夜、たま~に寮やアパートにいなかったのも。やる事、やってんだろ?」

「・・・うん」

「お前ら、目立つんだよ!2人でいる所、結構知り合いに見られてるぞ。お前が相手だから、大学で清香ちゃんを誘うヤツが、かなり減ったって・・・お前もだろ?」

「・・・あっ!」

そんな俺を見て、亮は盛大に溜め息を吐いた。

大学生になっても、告白や、いろんな集まりへの誘いは受けている。高校生の時にやっていた『笑顔でキッパリ断る』は、今でもわりと有効だ。

いつ頃からか、以前ほど人と関わらなくなった。笑みを浮かべながら、スルーできるものはできるだけしていた。

言われてみれば・・・暖かくなりはじめた頃から、告白やお誘いは、ずいぶんと減っていた。そういう事だったのか。