君とのキスの意味

斉藤が腕から手を離し、俺の頬を両手で包んだ。斉藤の手は、熱いくらいだった。

俺の唇に、そっと自分の柔らかな唇を重ねた。

「塚本君、お願い・・・」

俺は、間違いなく“ オトコ ”で、斉藤は、間違いなく“ オンナ ”だった。

“ オンナ ”の斉藤に、俺は抗えなかった──


あの夜以降も、斉藤は変わらなかった。斉藤から誘われて、一緒にご飯を食べたり、買い物に付き合ったり・・・

変わった事といえば、やっぱり斉藤に誘われて、たまに身体を重ねる。

「一回だけでしばらくしないと、やっぱり、次の時も痛いんだって」

きっかけは、斉藤のそんな言葉だったけど。俺も、最初の時ほどごちゃごちゃ言わない。“ オンナ ”の斉藤の味を知ってしまったから。

それでも、このままでいいのか?というモヤモヤは、ずっと抱えていた。

2年生になり、俺は寮を出た。母親が米やら野菜やらを送ってくるので、自炊していた。

俺は、結構料理が好きらしい。大皿一皿の男の料理だが、炒飯、パスタ、野菜炒めなど、思い付いたら、手際よく作った。

それを目当てに・・・自分では全然料理をしない亮が、入り浸るようになった。お前は俺のダンナかっ⁉て感じだ。