君とのキスの意味

あれから、清香さんと話す事もなかった。俺の謝罪の言葉を、ほのかさんに伝えてもらえたのかもわからなかった。

清香さんに言われた事を、考えた。俺は、どうすればいいんだろう?

ただ、清香さんと話した事が、思わぬ効果?をもたらした。

あの時の事を見ていたヤツがいたらしく、『清香さんに突き飛ばされ、俺がしりもちをついた事』が、生徒の間で広まった。

“ 噂 ”というのは、おもしろいもので・・・

突き飛ばされた

投げ飛ばされた

背負い投げされた

と、見事に変化して伝わっていった。

俺は清香さんに『背負い投げされたうえ、サイテーと言われた男』になった。

噂のお陰で、それから以降俺は、しばらくの間告白される事はなかった。

そういう事に疎い俺は、保育園からずっと一緒の古田 亮(ふるた りょう)に、噂の事を教えられる。

「・・・そうか」

「『そうか』て、そんだけ?もっと『なんでだよ!』とか『んなわけないだろ!』とか、思わないの?」

短く答えた俺に、亮は訝しげに聞いた。亮には、ほのかさんに呼び出された時の事から全部話していた。というより、言わされていた。