君とのキスの意味

小竹君は、小さく頷くと「お願いします」と頭を下げた。

「こっちこそ、心配してもらってありがとう!」

俺が薄く笑うと、小竹君もようやく笑った。

まだ仕事が残っているという小竹君と別れる。

『迎えに行きます』

それだけのメールを藤田さんに送る。

ちょっと・・・いや、かなり慌てたけど、藤田さんの意図が解って落ち着く。

せっかく藤田さんがくれたチャンスだ。今日こそ、きちんと水野君と話をしよう!

そう決意して、車を発進しようとした時、メールが着信する。

念のため・・・と確認したメールで、俺は再び慌てる事になる。今度の方が、かなりマズい。

『職場の飲み会で来ていた大橋部長に捕まった。沙映とそちらに顔を出す。

塚本、早く来い!』

大橋部長は、今、藤田さんがすすめている大口取引の相手先の担当部長だ。

県内でも名の知れた大手の企業で、大橋部長は、その創業者一族になるらしい。

きちんと仕事もできる人だが、女性関係の評判がよくない。