君とのキスの意味

自分のイライラをごまかすように、仕事に集中した。

そのお陰か気が付いたら、打ち合わせが終わった藤田さんは、もう帰っていた。

8時過ぎには、丸岡さんから帰宅命令が出された水野君も、帰っていった。

先週の水野君の張りつめた様子から、今週の残業は8時までと、高野主任に決められてしまった。

「心配かけてすみません!もう、大丈夫ですから!」

と水野君は訴えていたが、 とりあえず、言いつけは守っている。

水野君を追い詰めたのは、自分かもしれないと思うと申し訳なかった。でも、みんなに事情を説明する訳にもいかないので、心の中で謝っておいた。

区切りがついたので、これまで入力したものを保存する。

とっくに8時半を過ぎている。今日は、もう帰ろうか・・・なんて考えながら、デスクの端に置いていた個人用ケータイを手に取る。

少し前に、メールが着信したよな、と操作していく。

藤田さんからのメール?・・・なんとなく嫌な予感がする。

「っっ!!」

メールを開いて、俺は思わず、その場で立ち上がった。