そこは、大勢の悪魔が慕っている魔王の城__
ピリピリと重たい空気が流れ静まり返っている___
そんな中ドタドタと足音を大きくたてて走っている少女。
少女は大きな扉の前まで来た。
そこは、魔界で一番の悪魔、魔王の部屋の前。
少女は荒々しく扉を開けた。
そして、城中に響き渡るかのような大きな声でいった。

「パパ!!私の洗濯物と一緒にパパのパンツは言ってたんだけど?!
一緒に洗濯しないでって言ったでしょ!!」

それは、魔王の娘だった。
片手に魔王のパンツを汚いものを触るように持っており、とても怒っている。

「それはすまなかった、サン。
だが、我々は家族なのだぞ?
そんなに嫌からなくてもいいじゃないか。」

「いやよ!なんでパパのこんなびろびろパンツと一緒に洗濯しなきゃいけないの!
いくら洗濯しても私の服がきれいになることなんてないわ!」

言葉の矢が魔王にグサグサ刺さる。

「そこまで言わなくても…」

弱りきった魔王。

「もう毎日毎日!
うんざりなの!!言ったこと守ってくれないし!!
もう、決めたの!
私ここを出ていく!!」

「え???!!!」

サンの突然の家出宣言で動揺を隠しきれない魔王。

「いや!!パパが悪かった!!
今度こそ気をつけるから!!
出ていくな!!」

必死に止めようとする。

「いやよ、もう決めたの!
準備も終わってるし!」

そう言って大きな荷物を持ってきた

「し、しなしだな、サンよ
出ていくと言っても他に行く宛などなかろう?」

「決めてるわ、人間界よ」

「はぁ?!?!
何を言っているサン!!!
だめだ!!!お前はまだ人間界に行ってはならん!」

「いやよ、もう決めたの。
それじゃ、今までありがとうございました。パパ。」

そう言うとそのまま部屋をあとにした。
魔王が呼び止める声だけが響き渡っていった。