「いったい、何の為に……」

疑問が浮かぶが、今は何も解らなかった。

「ねぇ、クッキー持って行かない?」

赤野の言葉に、2つの調理台に視線を向けるとクッキーはそのままになっていた。

「そうね……でも袋なんてあるかしら?」

調理台や流しには見当たらなかった。

「仕方ない。ラップに包んで持って行きましょう」

私の作ったクッキーをラップで包み、各自一包みずつポケットに入れた。

【硬いクッキーを手に入れた】

谷原の生のクッキー生地は一部、炎の熱で焼きあがっているが、それは置いて行くことにした。