「みたいだね。枯れてくの見た時は殺されるかと思った」

私たちは部屋を出て、調理室に向かう。

背後を警戒しながら来た道を戻り、調理室の扉を開けた。

「あっ……」

部屋に入ると赤野が違和感に気付き、声を上げた。

「無くなってるわね……」

オーブンの中から谷原の死体が消えていた。

私たちが花瓶の部屋に行っていた数分の間に誰かが、もしくは何かが谷原の死体を回収したのだろう。

「甲冑かしら?」

「かもね。あいつらは死体も死骸も持って行くからね」