「ねぇ……」 花瓶に背を向けて扉に手を伸ばすと、赤野が震える声で私を呼んだ。 「ん?」 振り返ると、花瓶を指差す赤野が目に入った。 「どうし……っ……!?」 水で花瓶を満たしたのに、黒バラは潤うどころか、急激な速度で枯れていく。 やはりワインボトルの中身は水ではなかったのだろうか。 身の危険を感じたが、部屋の様子は変わらなかった。 黒バラは枯れてしまったが、カギの開く音がしたので花瓶に水を注ぐ事は間違いではないのだろう。 「枯れちゃったけど、問題なさそうね」