「何かを作れってこと?」
2つの調理台にはそれぞれ卵やいくつかの白い粉が耐熱ボウルに盛られていた。
調理台へ足を運ぶと、一枚の紙が置かれていた。
谷原が隠れていた花瓶の部屋にもあった、指示の書かれているものだ。
【私の好きなクッキーを作って】
「こっちにも同じ事、書いてあります」
指示を読み上げると、谷原が隣の調理台にも置かれていた紙を見せてきた。
「カギが掛かってるよ」
赤野の声に顔を上げる。
奥の扉はどちらもカギが掛かっている様で、赤野が茶色い扉のドアノブを動かしてみせるが、開く気配はない。



