「もうッ……無理ぃッ……」
谷原が弱音を吐く頃、サイレンの様な呻き声が止み、静かになる。
体当たりも無くなり、扉の向こうに甲冑の気配は消えた。
「はぁ……」
私たちの安堵の溜息が重なる。
どれだけの間、足に力を入れていたのか分からないが、踵はじんじんと痛くなり、ふくらはぎや太ももは痺れてしまった。
力無くずるずると座り込むと、2人も同じ様にその場に崩れ落ちた。
あの甲冑はどこから現れたのだろうか。
私たちは分かれ道など無い真っ直ぐな廊下を端から端まで歩いてきた。
いくつか部屋はあるが、部屋の扉が開く音は聞いていない。



