大きな剣を振り上げて走る甲冑がすぐそこまで来ているのが見えて、バンッと音を立てて扉を閉めた。
カギを閉めようと扉に手を這わせるが、目当ての感覚がない。
「二人とも力を貸してッ!」
扉を背にして、開けられないよう扉に全体重を掛ける私は、両脇に居る泣きじゃくる谷原と放心状態の赤野に叫ぶ。
呻き声をあげる甲冑は扉の前まで来ると、扉に体当たりをして来た。
私一人では力が足りず、一瞬扉が開いてしまった。
その時、甲冑と目が合った赤野が慌てて扉を手で押し返す。
それを見た谷原も眼鏡がずれ落ちたまま、背中で扉を押さえ始めた。
甲冑が体当たりをしてくる度、力を込めて踏ん張る足が前に滑る。
「くっ……早くどっか行けよッ」



