「今なら大丈夫。静かだし」 赤野が部屋の外に出たので、私も後に続く。 背後を気にしながら玄関に到着すると、衝撃的な事実を知ってしまった。 「マジかよ」 「鍵穴が……」 玄関には手に入れたカギを差し込む穴が存在しなかったのだ。 右手に握るカギを見つめて、他の脱出方法を考える。 赤野も同じ事を考えているのだろう、扉を見つめながら言葉を発しない。 冷静になってよく考えてみれば、玄関の内側に鍵穴が存在しないのは当たり前の事だ。 だとしたら……。