「だからカギを探すしかないんだって」 役立たずのスマホをスーツのポケットにしまった。 「この部屋は調べた?」 ため息混じりに呟いて、私は背後に置いてあるバラの紋章が描かれたノートを手に取る。 「この部屋にずっと居たわけじゃないから……」 「そうね、廊下に出たりしてたものね」 開いたノートから目を離さずに口を動かす。 「だから手掛かりになりそうなのとかは、見つけてない」 「それじゃ調べていきましょ」 ノートには子供の字が並んでいた。 日記のようだか日付が見当たらない。