だが赤野は何も答えず、暗い廊下の向こうを見つめる。 何を見ているのかと、私もその視線を辿ると、暗闇の中で赤い光を2つ見つけた。 何かの目のようにも見える。 この屋敷は普通ではないので、正体の分からない光に恐怖を感じた。 「見回りが来た」 赤野は私の手首を掴んで赤い光とは逆方向の廊下に走り出す。 赤野に引っ張られながら、青い扉の部屋に入った。 赤野は私の手首を放し、扉を閉め、内側からカギを掛けた。 この部屋は安全なようだ。 掴まれていた手首を軽く摩りながら、部屋を見回す。