ミヤビはその香水のビンに見覚えがあった。
それは以前、ミヤビが興味本位で本を見ながら作ったスズランの毒を入れていたビンだった。
何故それが赤黒くなっているのかは分からないが、アルラウネに掛けたという事は、手にしているこれも毒なのだろう。
ミヤビは香水のビンの口をそっと自分の口に寄せる。
だが怖くて口を付けられなかった。
これが毒なら、飲めばアルラウネは死ぬかもしれない。
そうすれば苦しんでいる二人を助けられる。
でも、そうしたら自分も……。
「さぁ、そろそろ本気で殺すわよ」
強弱を付けて私たちの胴体をイバラで締め上げていたアルラウネは、一層愉しそうに唇を歪める。



