「ぅがッ……ッ……ぅぐッ……」
腹部の圧迫により、胃袋が口から飛び出してしまいそうだ。
込み上げる吐き気に耐え切れず口を開くと、私は大量の血を吐いた。
赤野は血だらけの歯を噛み締め、胴体の痛みに耐えている。
そんな殺されかけている私たちと、その光景を楽しそうに見上げるアルラウネの背中を交互に見つめ、ミヤビは必死にナイフを動かした。
完全体ではない今のアルラウネは、自分と繋がっていないと生きられない事をミヤビは理解している。
だがナイフの刃はボロボロになる一方で、イバラを切断する事は出来なかった。
それでもミヤビは手を動かしていると、自分の足元に転がる口の開いたビンの存在に気が付いた。
手を止めてボロボロになった刃のナイフと、中身の液体が三分の一になってしまった香水のビンを見比べる。
そしてミヤビはナイフを置いて、中身がこぼれない様に香水のビンを拾い上げた。



