死を覚悟した時だった。
「折笠さんを放せッ!!」
アルラウネの足元で気を失い動かなくなっていたはずの赤野の声が、意識が朦朧とした私の頭の中に響いた。
アルラウネは声が聞こえた背後を振り返る。
その瞬間、赤野は香水のビンの中に入った赤黒い毒を頭からアルラウネに浴びせた。
驚いたアルラウネは私の首を絞める手を放す。
視界が光を取り戻し、一気に酸素を体内に吸い込んだ私は咳き込んだ。
咳を繰り返しながらも、片目でアルラウネの様子を窺う。
同族の黒バラの血肉を含んだ毒を浴びたアルラウネは、苦しみ、爆発する……はずだった。
「よくも汚い水を掛けてくれたわね」



