血だまりの少女


「クミ、ちゃんなの?」

ミヤビは私に疑いの目を向ける。

「えぇ、私は玖美よ。子供の頃一緒に遊んでたわ」

頷くと、ミヤビは初めて会った時の様に嬉しそうな顔で笑った。

「久しぶりだね」

親の都合で、私はこの街を離れることになった。

ミヤビと最後に遊んだ日、あの日の夜に親から急な出張の話をされ、引越しの準備に追われてしまい、最後まで彼女に会いに行く事が出来なかった。

二十年以上ぶりの、感動の再会なのに、溢れてくるのは涙ではなく、疑問と恐怖だった。

「でも、どうして……」

「幼い姿のままなのかって?」

楽しそうな笑みを浮かべながら、バケモノが私の言いたかった事を被せて代弁する。

バケモノは私の無言を肯定と受け取り、話し始める。

「この子の時は止まったままなの」

バケモノは信じ難い事実を口にして、私たちの反応を窺ってから、更に言葉を続ける。

「この血だまりで、この子は遠くへ行った貴方が来るのを、ずっと待っていたのよ」

「待ってたって……捜査に来なかったら、この屋敷に来る事は無かったわ」