バケモノはぐちゃぐちゃと下品な音を立てて、俺の下半身を咀嚼する。

俺の上半身からは新鮮な血液が滴り落ち、ボタボタと引き千切られた小腸や大腸の肉片が地面に落ちる。

ぼたぼた……ぼたっ……ぼたぼた……ぐちゅ……。

食道と繋がる胃袋はぶら下がり、体外に露出する。

それらをイバラが拾い上げ、バケモノの口へと運ぶ。

原型の無くなった俺の下半身の肉を、バケモノは嚥下し、再び大きな口を開けた。

鋭い牙が並ぶ口の中に放り込まれた俺の上半身。

同じ様にぐちゃぐちゃと音を立てて、咀嚼し嚥下した。

俺は自分の体が飲み込まれたのを見届けてから、バケモノに背を向けた。