殺されたと考えるよりも、生きていると信じた方が心強い。

折笠さんを探しながら、脱出のカギになるかもしれない紙を集めよう。

もしも死体を見つけたら……という考えが過ぎり、俺はその考えを捨てる様に頭を振った。

俺は立ち上がり、少しふらつく足で三階の東と西の部屋を確認したが、折笠さんの姿は無かった。

絵画が沢山飾られた北の部屋と毒ガエルが溢れる中央の部屋は危険で、わざわざ気絶させた人間を連れ込むのは無意味だと思ったので、確認しなかった。

少なくとも、目が覚めるまでは安全な場所で監禁するだろう。

三階を確認し終わったので、素早く二階へ向かった。

コの字型の階段を下りると、二階も静かだった。

甲冑の足音どころか、小さな物音すら聞こえない。

今まで足音にビクビクしていたが、静かだと突然現れるんじゃないかと、かえって不安になってしまう。