そして子猫は少女の足元に歩み寄り、体をなすり付けて来た。

『かわいい……』

子猫に懐かれた少女はその場にしゃがみ込み、子猫の頭を撫でる。

ゴロゴロ……

子猫は嬉しそうに喉を鳴らす。

『つれて帰りたいなぁ……』

子猫の頭を撫でながら少女は母親に何とお願いすれば良いのか、青い空を泳ぐ白い雲を見つめて考えた。

ミャァ~……ミャァ~……

子猫が少女を呼ぶように何度も鳴くので、少女は思考を停止させて子猫に視線を移す。

子猫は頭を撫でる少女が手首に付けているヘアゴムで遊んでいた。