少女が知っている妖精は服を着ていたし、脚もあった。

背中には綺麗な羽が生えていて、空を自由に飛びまわっていると思っていた。

違いが多くて、やはり目の前の寒そうな姿の妖精が心配になった。

それは少女の表情となって妖精に伝わった。

『大丈夫だってば。それに服なんか着たら、この身体がもったいないじゃない?』

クスリと笑った妖精は自分の腰を撫でて身体を見せびらかす。

その裸体は幼い少女でも、美しいと感じるものだった。

傷一つ無い滑らかな青白い肌に細長い腕、赤く長い巻き髪で隠れてはいるが、少し見える形の良い膨らみは柔らかそうだった。

くびれたウエストに、縦長の臍は世の女性が憧れるものだった。

目の前の妖精は艶かしく、美しい花の妖精だった。

甘い花の香りを纏った妖精は優しく少女に笑いかける。

それに応えるように、頭から血を流した少女は笑い返す。