妖精は唇の両端を上げて笑った。

少しだけ元気になった少女は、頭を撫でる妖精の手を握る。

『よーせいさん、つめたい』

少女は妖精の体温が氷の様に冷たいので心配しているようだ。

妖精は服を身に纏っておらず、肌は青白く死体のようだった。

『それによーせいさんには足がないの?』

妖精のへそから下に皮膚は無かった。

人間の様な脚は存在しておらず、代わりに黒い花が咲いていた。

大きな花の中央から妖精自身が生えているのだ。

『私は洋服なんて着ないし、見ての通り脚は無いわ。でもこれが妖精である私の姿だから、心配要らないわ』