花の甘い香りを纏った妖精は冷たい手で、質感を確かめる様に少女の頬を優しく撫でた。

『私の……おねがい……』

少女は、うーんと唸りながら妖精の体に視線を巡らす。

『お友達と……あそびたい……』

ピンク色の唇が動き、少女は小さな声で言葉を続ける。

『私ね、ずぅーっと待ってたの。毎日あそんでたのに、きゅーに会えなくなっちゃったの。私、きらわれちゃったのかな……』

少女は可愛らしい顔を歪ませて不安を漏らす。

『あのね、やねに上って待ってたの。森を歩いてるのが見えるから、見えたらすぐ下に行って、おでむかえしようと思ってたの』

妖精は頬を撫でていた手で頭を撫でる。

時折、サラサラな髪の毛を指に絡めた。