焼けるような痛みに左手の力が入らなくなり、取っ手から手が離れる。

落ちまいと取っ手を掴む右手に力が入り、鉄梯子を左膝の裏に挟んで踏ん張る。

イバラは私の血を舐める様に、傷口にイバラの表面を擦り付けて来た。

「ぁぁああぁぁああああ゛ッ!!!!」

痛みに比例する様に叫ぶ声が大きくなる。

右手でイバラを掴んで傷口から離したいのだが、取っ手を掴む右手を離せば私は落下し、天井の扉は開かれイバラが侵入してしまう。

「動かないでね」

赤野の声が耳元で聞こえたのかと思うと、彼は鉄梯子を登ってイエスのナイフを振りかざしていた。

そして赤野が勢い良く振り下ろしたナイフはイバラを切断した。

私は素早く天井の扉を閉めて、赤野が9枚のパズルの内1枚を取り外してカギを掛けた。