「なッ!?」
驚いてそれ以上言葉が出てこなかった。
屋敷の玄関から見て、屋敷の右側の地面には、小さな黒バラに囲まれた、この世の物とは思えない巨大な黒バラが横たわっていた。
眠っているのか、巨大な花頭や太い茎が規則正しいリズムで上下していた。
「あのバケモノが二宮を……」
血の海が広がっている訳でも、スーツの切れ端や肉片が散らばっている訳でもない。
証拠など無いが、私はこのバケモノが二宮を食い殺したのだと確信した。
私はホルスターから銃を抜き取り、トリガーに人差し指を添えてバケモノに銃口を向けた。
「ちょっと!ダメだよ!!」
赤野が私の手首を掴み、口だけでは止められないと理解している様で、銃口を手の平で押さえた。



