重たい扉を押し開けて、ラスボスが待ち受けているであろう部屋に入る。

いったい何が居るのか分からないので、ホルスターにしまっている銃に、緊張した手を添える。

だが、目の前の光景に、体の力が抜けた。

構えていたのが恥ずかしいくらいだ。

部屋にはラスボスらしき人物も怪物も見当たらなかった。

あるのは上へと続く階段だけだった。

「まぁ良く考えれば後ろにカエルの部屋があるんだから、もう一つ部屋があるわけないよね」

赤野は肩の力を抜いて、乾いた笑い声を出す。

私も苦笑いを浮かべ、ふーっと息を吐く。

力を抜いた体を引き締めて、階段を登る。