そしてもう一つ、血だまりに浸る物を発見した。

それは、上部が割れて小皿の様になった花瓶の上にあった。

「カギだわ」

二宮の血にまみれたカギを手に取り、血だらけになってしまったスーツのジャケットで軽く血を拭き取る。

「これで先に進めるね」

私が摘んだアンティーク調のカギを見て、赤野が安堵の溜め息を漏らしながら呟いた。

「そうね」

【アンティーク調のカギを手に入れた】

私は二宮の血が無駄にならなかった事にホッとして、アンティーク調のカギをポケットにしまった。

そして私は黒バラにも手を伸ばす。