【砕けた二宮の骨を手に入れた】

【血を吸い込んだ二宮のスーツの切れ端を手に入れた】

二つを掌の上に並べて乗せる。

形を覚える様に、じっと見つめてからスラックスのポケットにしまった。

顔を上げると、二宮の肉の塊で反対側が見えなかったので、数歩横に移動すると、扉の前に赤野が立っていた。

「行こ」

赤野はドアノブを掴んで、私が来るのを待っていた。