血だまりの少女


私は素直に頷いた。

「俺、一人で逃げれても嬉しくないけど?」

「嬉しいとか嬉しくないとかじゃなくて、生きなくちゃッ!貴方はまだ高校生なのよ!?」

生意気な言葉に腹が立ち、勢い良く振り返ると赤野の顔が目の前にあり、予想以上に近い距離で驚いた。

怒っているわけではなく、心配そうにこちらを見つめる赤野と目が合った。

「年齢なんて関係ないじゃん。生きる事に関しては折笠さんにも言える事だよ。俺一人だったらオーブンで丸焼きにされてたかもしれないし……折笠さんと一緒だったからここまで進んで来れたんだよ?だから、一緒に、この屋敷を脱出しよ、ね?」

私の体に回していた腕にゆっくり力が入るのを感じ、子供をあやすように優しく抱きしめられているのだと気が付いた。

私は赤野から目を逸らし、頷いた。

穴があったら入りたい。

「つい、カッとなって……ごめんなさいね」