もし、この骨がそういった類の硬い骨だとしたら、とても大きな力で砕かれた事になる。

「それって人間?動物?」

ずっと廊下から部屋の中を覗いていた赤野が扉を閉めて、私の隣まで歩いて来た。

「原型が無さ過ぎて、判断が難しいわ」

赤野は両手で強く鼻を押さえ、ぐちゃぐちゃの塊を見上げながら私の反対側に移動した。

「オェッ……」

赤野は至近距離で激臭の元凶にえずきながらも、何かを発見して私の隣に戻って来た。

赤野は激臭による涙目で私を見つめ、無言で腕を引っ張る。

赤野に従い、反対側へ移動する。

「なに?」