カシャ……カシャ……カシャ……

足音に耳を澄ませ、甲冑を追いかける様に忍び足で廊下を進む。

カシャ…カシャッ

甲冑が足を止めた事で、私たちの心臓も止まるかと思った。

声が出ないように手で口を押さえ、前に進もうとして浮かせた足を元の位置に戻す。

サイレンの様な呻き声は発していないが、見つかってしまったのだろうか。

恐怖と焦りが汗となって頬を伝う。

カシャ……カシャ……カシャ……

甲冑は再び規則正しいリズムで廊下を歩き始めた。

「角で止まるみたい……」