「ラスボス感漂ってるわね……」

観音開きの扉は、縦長なコの字型の2つの取っ手に、錆び付いた鎖が巻き付き、大きく重たそうな倉庫錠がぶら下がっていた。

倉庫錠は南京錠と形はほとんど同じなのだが、引っ掛けるフックの形が違う。

南京錠はU字型のフックだが、倉庫錠は芯棒と呼ばれる横棒になっている。

しかも目の前の鎖に括り付けられているのは、芯棒が3本あるのだが鍵穴は1つしかない特殊な作りをしている。

「もしかしてこのカギを使うのかしら?」

私はポケットからアンティーク調のカギを取り出した。

「試してみよ」

赤野もポケットからアンティーク調のカギを取り出した。

私は鍵穴にカギを挿し込む。