赤い絵の具が絵画の中に飛び散り、イエスやヨハネの顔が汚れている。
イエスはナイフを振り下ろした状態で静止する。
ユダの頭部は白いシーツを掛けたテーブルの上に転がり、赤い染みを作った。
切断された首からは真っ赤な肉と白い骨が剥き出しになり、流れ出した血の様な赤い絵の具はユダの腕を伝ってテーブルに広がり、生首が作った染みと繋がった。
赤い染みは大きくなり、テーブルの端から赤い絵の具が垂直に流れ落ちる。
「……何か変じゃない?」
赤野が絵画に近付き、赤い絵の具を見上げる。
私も赤野の隣に移動したが、見上げる前に鼻が反応した。
「鉄臭いわね……」
絵の具の臭いではなかった。



