「目が無いのも気持ち悪かったけど、あったらあったで気持ち悪いね」
赤野は目玉の付いたイエスを見上げて苦笑いをする。
パンプスを履き、赤野の隣で平面に立体的な目玉が不釣合いなイエスを見上げる。
黙って何処かに異変が無いか見つめていると、イエスが瞬きをした。
上瞼と下瞼が飛び出した目玉を包み込んだのだ。
「うわッ!」
私と赤野の声は重なり、瞬きを忘れてイエスを凝視した。
瞬きをしたイエスは、今度はゆっくりと目を閉じる。
すると立体的な目玉が絵画の中に取り込まれていく。
そして目玉は平面になり、イエスの一部と化した。



