再び絵画の部屋にやって来た。

赤野が『最後の晩餐』と私を交互に見つめる。

「な、なに……?」

眉を寄せて考え込んでいる赤野に首を傾げる。

「肩車しても手が届くのかなって」

「確かに微妙な高さね。でもやってみないと分からないわ」

「じゃぁ俺が土台やるから、折笠さんは上に乗って」

赤野は持っていた青い目玉を私に手渡し、イエスの前に跪いた。

「重くても文句は受け付けないからね」

私は跪く赤野の背中に声を掛け、左足を上げて肩に太ももを乗せた。