赤野がカエルを発見した白いクローゼットが右側に移動し、青い扉が出現していたのだ。

「あぁ……。あ」

納得した赤野は何かに気が付いたのか、感情の無い声を上げた。

「どうかした?」

目を開けて赤野を見ると、彼はまだ天井を見上げていた。

私も視線の先の天井を見上げると、壁に面した天井部分に四角い切れ目があり、縄ばしごが垂れていた。

「ここから三階に行けるかもしれないわね」

「そうだね。外はまだ甲冑がうろうろしてるだろうし……」

赤野が立ち上がる動きを見せたので、私もふくらはぎを摩りながら立ち上がると、机の上が視界に入った。

「そう言えば、この部屋は青い扉だったわね」